FacebookとGoogle+に絶望した、1人の女性の物語

彼女は

ネクラなオフィス・レディ。
会社には友達がいないので、休憩時間に女子トイレにこもってTwitterをするのが唯一の楽しみ。
そんな彼女がある日、ワクワクする出来事を見つけたのです。


それは、とある場所で開催されている仮面舞踏会。
そこでは皆、日常の顔を隠して、とても楽しいおしゃべりが繰り広げられているのです。
本当に面白い」 「はじまりそうな件」 といううわさを聞いて、いてもたってもいられずすぐさま参加登録をした彼女。


最初は戸惑うことも多かったけれど、次第にその空気に慣れ、徐々に友達も増えてきました。
「いいね!いいね!いいね!」 と思い始めた矢先。
突然、彼女はその仮面舞踏会の主催者から、出入り禁止を言い渡されてしまいました。

どうして・・・?

とショックを受ける彼女の元へ、一通の手紙が。
そこには、 「公的身分証明書に記載されている名前で登録してください」 と書かれていました。


彼女は、その舞踏会場では 『じゅげむ』 と名乗っていました。
確かにそれは、彼女の公的な名前ではありません。しかし、それには理由があったのです。


実は彼女の正式な名前は 『じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ かいじゃりすいぎょの すいぎょうまつ うんらいまつ ふうらいまつ くうねるところにすむところ やぶらこうじのぶらこうじ ぱいぽ ぱいぽ ぱいぽのしゅーりんがん しゅーりんがんのぐーりんだい ぐーりんだいのぽんぽこぴーの ぽんぽこなーの ちょうきゅうめいのちょうすけ』 という、たいへん長いもの。


そのため、彼女は普段から 『じゅげむ』 とだけ名乗り、周りの人もそう呼んでいました。
『じゅげむ じゅげむ(中略)ちょうすけ』 というフルネームで呼ばれることなんてまずありませんし、誰もそれが彼女の名前だなんて知らないでしょう。
舞踏会場でも、出会う人にいちいちフルネームを名乗るのも面倒だし、会話中にその名前で呼ばれても、話の腰を折るだけでちっとも楽しくありません。

それでも

みんなの前でフルネームを名乗り、主催者に公的身分証明書を提出しなければ、彼女はもう2度と仮面舞踏会の会場には入れてもらえないのです。


じゅげむちゃんは悲しくなりました。
たとえあのフルネームで再び舞踏会に参加できたとしても、みんなは私に気付いてくれるだろうか?
じゅげむちゃん自身、普段から呼ばれ慣れていない名前です。
別人だと思われるのではないか?
何より私自身、仮面舞踏会という楽しい場所で、その名前で呼ばれることに違和感がある・・・。


じゅげむちゃんは、仮面舞踏会への参加をあきらめました。
せめてみんなに、さよならだけでも伝えたかったな、と思いながら。


そんな仮面舞踏会の

つらい思い出を忘れかけたころ、じゅげむちゃんはまた、胸がときめくようなニュースを耳にしました。
それは、とある場所で開催されている仮面武道会。
そこでは皆、日常の顔を隠して、活気あふれる対戦が繰り広げられているのです。


普段はネクラですが、実はとっても好奇心旺盛なじゅげむちゃん。
今度こそ!と早速、その仮面武道会に参加登録をしました。


それはとても楽しい毎日でした。
寝る間も惜しんで、朝まで続くキャットファイト
毎朝、お尻を出してしまうくらいに盛り上がりました。
しかし、そんな幸せな日々も長くは続かなかったのです。

それはある日

突然やってきました。
またしても、武道会の主催者に参加を拒否されてしまったのです。
しかし、今度は前回の仮面舞踏会とはちょっと違いました。
対戦はできませんが、観戦はできるのです。
それでもいいかな、と思う反面、血気盛んなじゅげむちゃんは、やっぱりみんなの対戦に場外乱入して遊びたいのです。


私がここで応援しても罵倒しても誰も気付かない・・・。
寂しい・・・・・・・・・・・・・安西先生、+1がしたいです・・・・・・・・・・・!!


聞くところによると、どうやらじゅげむちゃんと同じ時期に、参加を拒否された人がたくさんいるようです。
その人たちの話では、 「正式な名前でなくても、普段使っている名前ならいいんじゃないか?」 とのこと。
そして、主催者からの手紙にも、 「普段からその名前で呼ばれていることを証明できるものを添えて再申請してください」 といったことが書いてありました。

よおし!

と希望を見出したじゅげむちゃん。
早速、普段みんなから 『じゅげむ』 と呼ばれていることを証明する資料を送り、お返事を待ちました。


一夜明けてその翌朝、早くも主催者からのお返事が!
よかった、分かってくれた!と思ったのもつかの間。
その手紙は、じゅげむちゃんの参加を認めないことを伝えるものだったのです。


じゅげむちゃんはがっかりしました。
しかし、 「私の説明が足りなかったのかな」 と気を取り直し、今度はきちんと、 『じゅげむ』 という名前を名乗る理由を添えてお返事を送りました。


とっても長い名前で、普段からその名前では呼ばれていないこと。
フルネームを知っている人は、ここには誰もいないこと。
子供のころ、この名前のせいで溺れ死にそうになったトラウマがあること・・・・
じゅげむちゃんの人格にとって、この名前には何の意味もなく、ここで名乗ってもデメリットしかないこと!

じゅげむちゃんは

この武道会の主催者を信頼していたので、誠意を持って理由を伝えれば、話し合いの余地があると考えていました。
お互いが納得できる解決策はなんだろう、と一生懸命に考え、 『じゅげむ』 だけじゃいけないなら、 『じゅげむ ごこうのすりきれ』 ではどうだろうか?と聞いてみました。


しかし翌朝、彼女の元に届いた手紙は、1通目同様、ただ 「参加は認めない」 ことを伝える文章のみだったのです。


じゅげむちゃんはちょっぴり頭にきました。
普段はネクラですが、実はとっても好戦的なじゅげむちゃん。
そっちがその気なら、と、 『じゅげむ ちょうすけ』 という名前で再度登録を依頼してみました。
もうなかばヤケクソです。

ところがなんと!

翌朝、 「Hi,じゅげむ」 から始まるとってもフレンドリーなお手紙が届き、じゅげむちゃんは武道会への参加を認められました。


これはどういうことでしょうか。
『ごごうのすりきれ』と 『ちょうすけ』 では何が違うのでしょうか。
主催者にとって、 『ちょうすけ』 は正式な名前で、 『ごごうのすりきれ』 はウソっぽく聞こえたのでしょうか。


念願かなって再び武道会に参加できたじゅげむちゃん。
みんなおかえりと歓迎してくれましたが、彼女の心は晴れませんでした。

いったいなぜ

ごごうのすりきれじゃだめだったんだろう。
ちょうすけとごごうのすりきれの違いはなんだったんだろう。
この武道会は、主催者が望む仮面しか付けられないということ?
名前も自由に名乗れない武道会なんてポイズン・・・・

失望した

じゅげむちゃんは、ふらふらと空き地に向かいました。

 「おーいじゅげむ、まなめのメガネかち割ろうぜー」 
 「悪いなじゅげむ。僕のTwitterはプロテクトなんだ」 


そんないじわるさえも癒しに感じるほど、彼女は疲れていました。
おもむろにiPhoneを取り出し、先ほどの2人に@でお返事をして、じゅげむちゃんはつぶやきました。
Facebookは嫌い。Google+は虚しい・・・・

一方・・・

mixiボイスには、Twitter連携で@を除いた 「Facebookは嫌い。Google+は虚しい・・・・」 だけが投稿されました。



※このお話は実際の人物・団体とは関係ないこともないですし、登場するエピソードはそれなりに事実に基づいているかもしれません!
公的身分証明書を要求する厳しいFacebookと、それっぽい名前ならOKの適当にゆるいGoogle+はどっちがマシなんでしょうか。